雨の降りそうな朝、横浜ヨットクラブのテンダーで、修理対象のヨットに渡る。今日は、二回目の出動で、マストトップに着けた風向・風速センサーのケーブルをマストの上から下まで通す仕事だ。第一回目の出動でガイドパイプを通してあるので、今日の仕事は少し楽なはずだ。ケーブルとこれを引っ張る細いロープをさばき直して絡みやキンクが発生しないように、念入りに準備する。
必要な材料と道具をチェックして袋に入れ、これをメインシートにローリングヒッチで括り付ける。ボースンチェアを体に合うように調整して身に着け、揚げてくれと合図をする。相棒が電気ドリルの大きいやつでウインチを巻き上げると、体が浮いてそろそろと揚がっていく、セールの絡み止めロープ、バックステイなどを交わしながら、マストに押しつけられないように脚で蹴りながら少しずつ登っていく。2分くらいでてっぺんに着く。てっぺんではすべてのリギンやロープが集まっているので居場所が限られるし、マストに体が押し付けられるのでこの力に贖いながら仕事をすることになる。しかし、眺めは最高だ。20mは優にあるので遮るものはなく360度のパノラマが広がる。線路、高速道路、工場の煙突群そして運河とその向こうの東京湾が、見渡せる。
材料と工具を引っ張り上げて作業開始だ。材料も道具も絶対に下には落とせない。相棒と船に傷を負わせるわけにはいかないからだ。緊張を保って一つずつ作業をこなしていく。マストトップのランプへの通電確認、ランプの仮取付、電線の接続、保護パイプの取り付けなど、細かい仕事をこなしていく。一つトラブルがあった。ランプがベース金物に取りつかないのだ。狭いところで思い切り差し込んでみるが、どうしても5mmほどが残って、最後まで入ってくれない。あきらめて一度勘合部を点検してみることにした。ここで気が付いた。なんと私が船首と船尾を取り違えていたのだ。航海灯は右側が青、左側が赤、後方から見ると白と決められているのにどうしても逆になるので悩んでいたのだが、一気に解決した。なんというドジだ。
最後の作業を始めたら、急に雨が降ってきた。カッパは下に脱ぎ捨ててきたので、ぬれっぱなしだ。まだ夏の日なのでよかった。下に合図して降ろしてもらう。降りるのは速い、するすると降りて作業は完了だ。船のオーナーも喜んでくれた。私が来るまではトラブル続きで足かけ二年にわたる作業となったらしい。相棒もほっとしている。
テンダーで車に戻り、オーナーに礼を言ってハーバーを離れる。やっと昼飯にありつける。
Bonjour, ton blog est très réussi ! Je te dis bravo ! C’est du beau boulot !:)
Thank you.