紀伊半島一周

同級生のMが、ホンダのCS90というバイクを買った。記念にどこかへ出かけようというので、CL90というオフロード風のバイクを持っているJと私が夏休みに一緒に紀伊半島一周に出かけることになった。
テントを借り、これに眠ることにして、食事は作らないで外食、風呂は銭湯ということにして、鈴鹿から奈良の南を通って、和歌山に出て、紀伊半島を反時計回りすることになった。
初日は、一日中山の中を走ることになった。伊賀上野、天理、樫原を経て、五條というところで夜になったので、テントを張って、食堂で夕食を採って、銭湯を探して長湯を楽しんだ。初めての長距離ライディングは予想以上に疲れたので、三人ともろくに話もしないでぐっすりと眠った。
二日目は紀ノ川を下り、和歌山の町に出て、有田のあたりで海が見えてきたのでひと泳ぎすることにした。すると地元の若い人たちが洗濯板を使って、サーフィンを楽しんでいるではないか。帰ったら俺たちもやろうぜと感心してまたライディングに戻った。当時の新婚旅行のメッカ、白浜温泉を横目で見て、潮岬を目指した。紀伊半島の最南端に着いて、橋杭岩などを見て、またテントを張り、晩飯を食べて、この日もぐっすり寝た。
三日目は、紀伊勝浦を通り、那智の滝を見に行った。新宮も通ったが、今のように熊野古道が脚光を浴びていなかったので速玉神社も見ないで通り過ぎた。瀞八丁というのが写真で見てきれいだったので、行ってみることにしたが、いく途中の山道で、JのCL90がパンクして、これの修理にかなりの時間がかかり、あきらめて尾鷲まで行くことにした。途中国道42号線は、未舗装で一車線を相互通行に使っていた。大型車が来ると対向車はバックしてすれ違いの出来るところまで戻るのだが、坂道が急なので危ないことこの上なしであった。やっと尾鷲まで来て、砂浜にテントを張り、街へ出かけた。驚いたのは、地元の人たちの言葉がぜんぜん分からないことであった。こちらから話すことは分かってもらえるのだが、相手の言っていることが分からない。若い人がお店に出てきて、やっと言葉が通じた。
四日目はもう帰るだけ、松坂を目指してひたすら走った。私は意外と疲れを知らなかったが、外の二人はかなり疲れていたようで、松坂に着いたときにはほっとして、しばらく道に座り込んでいた。
こうして初めてのロングツーリングは終わった。総行程約700kmであった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です