二十歳になって、就職が決まり、勤務は東京になり、埼玉県の朝霞市にある独身寮に住むことになった。この独身寮は、朝霞テックというホンダ資本が経営する遊園地の正門の前にあった。スーパーカブのエンジンを積んだゴーカートなどの遊具が何種類も合って、結構にぎわっていた。
勤務先は東京都港区の田町駅の近くにあり、入社して半年くらいは電車で会社の往復をするだけでぐったりしてしまい、日曜日は朝寝坊をしてボーっと過ごしていた。都会暮らしと仕事に慣れるのがやっとの生活で、バイクのことは忘れていた。
一年くらい経つと、少し様子が分かってきたが、なんと学生時代より貧乏な生活であった。学生時代は、奨学金と、日曜のアルバイト収入と、家庭教師のアルバイト収入があり、自宅から学校へ通っていたので支出が少なくて済んだが、独身寮に住んでいても、都会の暮らしは何かとお金がかかり、ほとんどその月暮らしという状態であった。
どこへ行くにも電車とバスを乗り継ぐのは、不便だなと感じたので、バイクを買うことにしたが、資金に余裕がなかったので、SUZUKI 90 スクランブラー という2ストのバイクを月賦で買った。
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