JSAF主催の年一回のレース
8時15分に三崎口駅に行くと、宮下、西村の二名は早々と来ていた。石井オーナーは、指定時刻に改札を出てきた。三崎マリンの駐車場は半分埋まっている。車を止めてクルーザー RANKAに着くと、佐々木がもう来ていて、艇のカバーを外していた。いつもはライバルの「かまくら」からのゲストクルーの尾山さんも艇上にいた。挨拶を交わして、外してあったメインセールをブームにセットすると準備完了だ。下架の順番は4番目だ。
艇を出すと、海上は、5kt位の軽風が吹いている。今日のスタートは、秋谷の沖ということで、向かい風をメインセールだけ上げて、機帆走で進む。亀城崎の付近は、台風12号の影響か、大きな白波が立っている。海は真っ青できれいだ。定地網の直ぐ沖に本部船とアウターマーカーが見えた。全員ライフジャケットを着けて、本部艇の直ぐ前を通ってセールナンバーを見せ、クルーの人数を知らせる。今日は7名だ。
レースまでまだ30分以上ある。スタートラインに沿って走り、アウターマーカーの外まで行って、スタートラインの見通しを確認する。サニーサイドマリーナの建物の左側のM型の崖の左を確認する。次は時計合わせだ。尾山さんが時計係を引き受けて、みんな時刻を確認する。私の時計は53秒早いようだ。もう一度スタートラインの見通し確認をして、本部船の右側海域で待機する。今日のスタートは、二つのグループに分けて時刻を10分ずらしてあり、我々は後組のスタートだ。10時40分に先組がスタートしていく。これを見送って、ソロリソロリと本部船に近づき、タイミングを計る。少しアプローチが早いかなと思ったが、時計の一秒遅れで、本部船すれすれにスタートを切ることができた。
第一マークは全く見えないが、先行スタート組の後を追いかけて、クローズリーチで走る。艇団の岸よりのコースをキープして、潮とリーウェイを気にしながら、スピードを失わないようほんの少し落として走る。
名島の沖まで来ても、なかなかマークが確認できない、その時間が延々と続く。先行レース艇群の動きを頼りに、動かないものを探す。遠く白い煙突のようなものが聳えており、その少し左側に小さな黄色いものを見つけた。もうしばらくすると先行組が回航したようで、スピネーカーが上がるのが見えた。あれに間違いないと、少し落としてスピードを稼ぎながらアプローチしていく。先行艇の遅れ組もいるので、正確にはわからないが、後スタートの5番目くらいでマークを回る。
スピネーカーを上げようとすると、アフターガイがライフラインの下をくぐっているので、急いで外してつけ直す。約一分間のロスだ。風は北だが、東成分が強く、スピネーカーでぎりぎりの上り帆走だ。ポールはフォアステーにこすりそうな位置で、それでもラフはカールしてくる。スピンシーターは吉江君だ。スピンのラフの上に太陽がいるので見づらそうだ。
直ぐ右側をライバルのヒッポが居る。並んで抜きつ抜かれつの状態だ。しばらくバトルは続く、RANKAが風上で少し先行することができたので、艇を近づけてブランケットに入れるようにすると、ヒッポのスピンがつぶれた。この気に一気に先行するが、また追いついてきた。もう一度ブランケットに入れると、今度は追いついてこれなくなった。
レース艇群は沖寄りのコースを取っており、その艇群に遅れが見える。二杯を牛蒡抜きにしたので、気をよくして岸よりのコースをキープする。スピンのシーティングは厳しそうだ、直ぐにつぶれようとするのを必死に押さえ、しかも引き過ぎないようにしている。前に大きなフジセブンが見えてきた。青いハルに赤いスピンを広げていて、とても美しいが、スピードは出ていない。その岸側を行く、小さな艇に抜かれてしまうほどだ。
RANKAもこれを抜けるかと思うが、さすがになかなか抜くことは出来ない。この間に亀城崎を過ぎ、長居からの風を受けて気持ちよく進むが、このまま行くと、沖だしのタイミングを過ぎそうになったので、スキッパーにその旨を伝えると、しばらくしてジャイビングをして、沖へ向けた。
フィニッシュのマークを探すが、まだ見つからない。先行艇の様子からすると、城ヶ島よりかなり沖にフィニッシュするらしい。そのまま沖へ出すと、先ほど抜いたはずの紫のラインの入ったスピンの艇が、前方にいる。途中から沖の方が吹いたらしい。そのうちに本部艇の姿が見えてきた。フィニッシュした艇がスピンを降ろしてこちらに向かってくる。アウターマーカーも見えてきた。フィニッシュ前にRANKAを抜ける艇は見当たらない。ライバルのヒッポはかなり遅れてついてきている。風が触れたので本部艇の近くにフィニッシュした。
尾山さんは、舵を取らせてもらって、そのヘルムの軽さに驚いている。艇を陸に上げ、掃除をしても、表彰式まで時間がある。シャワーを浴びて、クラブハウスでビールを飲んで反省会をする。「今日は最高のレースができた。クラス優勝は間違いないだろう。総合でもかなりいい線行くはずだぞ。」と、早々と祝勝ムードである。
表彰式は三崎の「うらり」で、開催された。300人くらいが参加している。26回目だそうで、裕次郎記念と謳って開催されてきて、その裕次郎も没後二十三年になると、山崎達光が、挨拶の中で紹介する。スポンサーからの賞品の抽選会が行われ、場が沸き立つ。フラダンスのショーは、小人数ながら美人ダンサーを揃えている。プラスチックのトレーに載せたつまみを前に、みな心地よくビールを飲んでいる。表彰の結果、予想通り、RANKAは、オープンAクラスの優勝を勝ち取った。総合は残念ながら二位であった。
終わりにひとつのエピソードを聞かされた。名島沖のマークは、実はもう少し先にあり、マークボートはそこで艇群を待っていたが、一艇もこれを回らずに、手前にあった帆走指示書と同じマークの方を全艇が回ったため、レースは成立させることにしたそうだ。
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