10月4日と5日は、友達のヨットを回航した。HansChristian 33という英国デザインで台湾製のクラシックなヨットで、30歳である。これを友達が買ってリストアーして乗りたいというので、お手伝いをしている。10月2日は夏日で、10月3日は何とか雨が降らず暖かい日だったのが、4日は曇りで午後は雨という予報で、その通りとなった。朝4時に起きて四発で社に乗り、大船で東海道線の下り電車に乗り換えて、熱海に7時前に着いた。7時半初のフェリーで8時ごろ初島に着いた。回航屋と称する元オーナーの友達が、「二人で行くならどうにかなるさ、岸沿いに行けよ。」と見送ってくれる中、8時40分ごろ強風の相模湾に船を出した。
出るといきなり15m/sを超える強風で、波高は4mくらい、船首が自分の背より高いところに見えるほどの向かいの波を分けて8.5tのクジラのような船は進んでいくが、あまり速度は出ていないようだ。風はさらに強くなり、波高も高いままだ。左に見える真鶴岬の角度があまり変わらないし、初島もあまり遠くならないと感じた。それでもこの丈夫な艇は少しずつ三浦半島に近づいていく。35PSのディーゼルエンジンは、30歳と思えないほどたくましい。4時間くらい走ると、いつもレースのマークに使っている黄色い南西ブイが見えてきた。このブイは三崎から南西に5nm(9.5km)離れている。順調に走れば1時間で届く筈だ。ここでエンジンの警告灯とブザーが鳴った。見ると水温の警告である。一度エンジンを止めて冷却系の点検をするが、異常は感じられない。再度エンジンをかけて、2200RPMくらいに回転を落として、航海を継続する。警報はなったり止まったりする。ヤンマーの代理店に電話をして対処法を相談すると、「冷却水が少なくなっている可能性がある。」とのこと、三崎港のうらり桟橋に着けて、相談することとした。風は北に回り、走行の障害とはなっていないが、エンジン回転を落としていることとどうやら潮が向かいになっているらしく、三崎は見えていてもなかなか近づかない。
16時過ぎにやっとうらりの桟橋に着けることができた。係員に停泊の申し込みをすると、「一泊ですか何フィートですか?」と問われたので、一泊したい33ftですと回答し、¥3,000を支払って、艇を舫った。ヤンマーの代理店に再度電話をすると、「朝8時から店を開けているので、出港間に寄ってほしい。」というので、翌朝開店し次第店に寄ることにした。艇に鍵をかけ、三崎では一番人気のマルイチへ行って、食べ損なっていた昼食を摂ることにした。幸い席が空いていて、マグロの三点盛りを戴いた。分厚い刺身で、赤身、中トロとトロの3点が並ぶ。美味で満腹になった。この日は自宅に帰って朝出直すことにした。
10月5日、8時に三崎口について、駅のソバ屋で朝食を摂り、コンビニで昼食のお結びを買った。飲み物は前日のお茶が残っている。バスで三崎港に向かい、ヤンマーの代理店に直行する。店では担当の人が3HM-35Fというエンジンについて、警報の意味などと、交換すべき部品について丁寧な説明をしてくれた。在庫の部品は購入し、ないものは友達の家に送ってもらうことにした。
船に着くとうらりの事務所に出港の連絡をした。エンジンをかけ、舫いを解いて出港する。冷却水を追加したので、エンジンの警報は出ないが、回転数を2200RPMくらいに下げて航行することにした。今日は昨日よりさらに風が強そうだ。北風で目的の横浜港は完全に向かい風を浴びる。定置網を避けるため、剣崎の1.5nm沖を目を凝らして航行する。一時間くらいで剣崎を交わし、久里浜とその先の観音崎に舳先を向ける。ここからは、風が強まり友達が風速を測ってみると、何と24m/sと出た。40ktを超えており、最強時は50ktくらい出ている。しかも潮も向かいらしく、観音崎が一向に近づいてこない。やっとの思いで観音崎を越えると、やっと波が少し治まり、船首が叩かれず船の長さを活かした航海ができるようになった。自衛艦と並走をしている間に、八景島の三角屋根が見え、その先に本牧のキリンが見えるようになった。このあたりから雨が強くなり、合羽を着ていても首筋や袖から雨が忍び込んで、とても寒くなった。この寒さに耐えること3時間、辛抱航海の終わりが見えてきた。本牧ふ頭に到達した。雨は降り続いたが、波は治まった。ベイブリッジをくぐってYCC到着は16時30分。7時間かかった。

写真の人物は、この艇のオーナーです。桟橋は一日目に泊めた三崎港の「うらり」です。
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